魚フライやツナ缶などの原料として欠くことのできないタラやマグロですが、乱獲などにより世界規模で資源の枯渇が心配されています。
そこで登場したのがこの「MSCマーク」で、資源管理に配慮した責任ある漁法を通じて生産されたと認められた商品に貼られています。
昨年ご紹介した際は、国内では始まったばかりの試みだったために認定商品も少なく、スーパーなどではなかなかお目にかかれませんでした。
あれから1年、この取り組みは徐々にですが、確実に浸透しています。
この制度は1997年から始まったのですが、これまでに約1000商品が認定され、国内でも100以上の商品が出回るようになりました。
国内漁業ではホタテやサケ、カニやカレイなどが認定直前となっており、新たな申請が相次いでいるそうです。
と、ここまではいい話なのですが、ある漁業関係者からは「MSC取得には手間と費用がかかり、認定商品はどうしても割高になる。
国内で流通させられれば1番いいが、日本の消費者は価格に厳しいので・・・。
どちらかというと、欧米向けの高級輸出品が対象になるかもしれない。」との声も聞こえます。
確かにMSC制度はイギリス発祥の制度ですので日本より取り組みが進んでいて当然ですが、日本は世界有数の魚食大国なのですから、何としてもこの精神を理解し、お家芸である日本流アレンジを加えて普及させてほしいものです。
最近ではJAや大手スーパーなどもMSC認定商品を扱い始めたようですので、皆さんもちょっとだけ意識してみてください。
持続可能な漁業を確立するには、何より消費者自身の選択が重要なのだと思います。
「多少割高でも、MSCマークが付いているとよく売れる。
うちの漁協もすぐにやろう!」そんな流れを作り出すのは、他でもなく私達消費者なのですから。